第4回斐伊川夕刻「篝火舞」 (深野神楽保存会さん)雲南市にて9月18日開催

     

               
斐伊川夕刻「篝火舞」 第4回目
        が9月18日に雲南市木地町斐伊川で開催されます。


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●島根県の奥出雲地方を流れる斐伊川は、古事記や日本書紀に記述されている、神話「須佐之男命の八岐大蛇」の舞台となりました。

今年も9月に伝説の川を背景にした、出雲神代神楽「篝火舞い」が開催されます。

伝説の神話「須佐之男命の八岐大蛇退治」については、過去に石見神楽等でご紹介していますのでそちらをご参照下さい。
今回は開催地・斐伊川を中心に改めてご紹介します。
斐伊川は、神話の国・出雲の’国造りの川’としても知られ、島根県と鳥取県の県境に位置する船通山を源として途中、大馬木川、阿井川、久野川、三刀屋川、赤川等、大小の支川を合わせながら北流し、出雲平野で迂回し、宍道湖、大橋川、中海を経て日本海へ注ぐ、山域を約80kmを流れて宍道湖に至り、宍道湖から中海、美保湾に至るまでは、その長さは約150kmにもなる一級河川です。古くより、暴れ川として洪水を繰り返す川床が周辺の平面地よりも高くなった天井川です。今でも洪水防堤などの治水工事がおこなわれているところです。源の船通山は、須佐之男命が高天原から追放され、最初に天降った場所(のひとつ)です。神話八岐大蛇伝説は、2004年に6町村が合併した雲南市の周辺には多くの伝承が残っています。 

「出雲風土記」にも載っていますが、斐伊川が流れる奥出雲地方は、特に砂鉄に恵まれ、砂鉄を木炭をいれた炉に大きなふいごで風を送り、砂鉄を溶かし鋼を作り出す’たたら製鉄’が盛んに行なわれていたところです。出雲の製鉄集団が住みつき、彼方此方に土の炉が赤い炎で燃えていました。「八岐大蛇伝説」は、大和朝廷が出雲に進出する過程で、一大勢力のたたらの製鉄集団(鉄産民)を征服して、硬い鋼で作った刀などの武器を調達するようになった史実を反映しています。須佐之男命が大蛇を退治した際、尻尾から天叢雲剣と名づけられた刀剣が出てきましたが、その後この剣は、天照大神に献上され、天皇の象徴である「三種の神器」の一つとなりました。
古来より刀剣と日本人は関わりが深く、戦国時代は武将の精神面の象徴ともされ、’武士の魂’とも呼ばました。

斐伊川 は、’火の川’が語源となったともいわれ(肥川とも)、その畔は酸化した鉄分で赤く染まっていました。これは大蛇の腹が常に赤い血でただれている姿を現しています。炉の赤い炎が大蛇の眼で表現されたのでしょう。’八岐’(八つ大蛇の頭と尾)がとされるのは、上流の谷筋で八つの支川(オロチ河川群と呼ばれる)を集めている ことから生まれました。また斐伊川は古来よりよく氾濫した姿を、大蛇の荒れ狂う様を示しています。川の氾濫後に’鱗状砂洲’と名づけられた、幾条も重なった蛇の鱗の様な’砂洲’をみることができるそうですが、この蛇のウロコ文様が大蛇のイメージを作り上げたとの説もあるようです。
伝統の製鉄技術は今でも脈々と受け継がれており、当地の近く安来には「日立金属」という鋼では世界的に有名な大工場があります。
大和朝廷は、出雲の銅や鋼の生産集団を征服することにより、出雲王国の地位を盤石にし、東北、関東、九州まで勢力を拡大していきます。


開催地斐伊川のご紹介はこのあたりにして、今回の「篝火舞い」は、伝説の地で、夜日が暮れた時間帯に篝火を焚いて開催されますが、一年ががりで準備されています旧島根県飯石郡吉田村大字深野の「深野神楽保存会」さんを少しご紹介しておきます。「深野神楽保存会」さんの旧HPの紹介文をそのまま掲載しますと、

深野神楽は、古くより、能または神楽(かぐら)と呼んでいる。
この神楽は、その演目内容が主に神代時代の神話によっていることと、
この出雲地方に神話にゆかりのある土地が極めて多いことから、
最近では出雲神代神楽とよぶようになった。
深野神楽は、古くより(江戸時代)、吉田村深野地区に伝承され、
深野神楽と呼称している。
江戸時代から舞われていた深野神楽も、やがて後継者に欠け、
大正の初めにいったん姿を消すが、
昭和61年に再び復活の気運が盛り上がり、
深野神楽保存会を結成する。


とあります。
紹介文中に出てくる’出雲神代神楽’は、神楽としての歴史は古く、遠い昔、現在の島根の石見地方に伝わる’石見神楽’や岡山、広島の県北地方の神楽に多大な影響を与えました。この神楽は、「天の石屋戸神話」に伝えられる天宇受売命の舞が神楽の起源といわれており、岩戸前の神楽の古事にのっとった神代、古代のさまざまな神話に基ずく神楽の起源といわれます。

勝部月子著の「出雲神楽の世界 ―神事舞の形成―」によると、
『神楽の源流とその変遷 現代に継承し続ける神迎えの神事
中世の中期から末期にかけての混沌とした世相の中で、人びとは神楽によりその土地の氏神や職能の神の来臨を願い、また来臨した神に祈祷し託宣をえる。あるい は神楽により死者や外来の荒ぶる御霊を鎮めて生活の安穏をはかった。神楽がいまや民衆の余興、娯楽となっているのと違い、かつては切実な神祭りであった。』

神楽の演目は、これも深野神楽保存会さんの旧HPからのご紹介となりますが、


神に奉じる演目

①’七座’に分類される 
「清目 陰陽(剣舞) 手草 奉幣 茣座 八乙女 八ツ花(剣舞)」

神を楽しませる能舞いに近い
②’神能’に分類される
「山神祭 国譲 田村 茅の輪 五行 日本武 八戸 日之御碕」

の二種類に分類されています。

安芸地方の神楽とは異なっているのが、’奏楽’と呼ばれる笛や太鼓の’楽’のみの演奏演目があり、

「入申 しずか しゃぎり 早笛 早調子 神能 下がりは がく 切目 三番 おろち」

等多くの伝統を引き継がれています。
機会があれば、録音して残しBlog等でご紹介したいものです。

 
●今回『斐伊川夕刻篝火舞』は、4回目となります。舞台継続にあたって、事前準備や舞台運営
  など様々なご苦労をされて今日に至っているとお聞きしています(しかも無償で)。第3回の終了時には
  今年度の開催を危ぶむ主催側の情報もありましたが、今年も無事開催されるとお聞きし
  内心ホッとしています。


最後に、第4回 斐伊川夕刻篝火舞の詳細をご紹介します。

日 時    平成22年9月18日(土)17:30~21:00
         ※雨天時20日(祝日)
会 場    国道54号線木次町里熊大橋上流・斐伊川河川敷多目的広場
        特設ステージ 篝火を焚かれる為、ステージ左右立ち入り禁止区域あり
        (屋外ながら近くに綺麗なトイレ設備あり。無料駐車場あり)

         
入場無料

内容     

第一部 ~地域の伝統を受け継ぐ子どもたち~
       17時30分~主催者挨拶       
       17時35分~八重滝太鼓他   掛合太鼓ジュニア
       18時05分~「清目」       深野神楽こども教室
       18時15分~「大蛇退治」    深野神楽こども教室 

第二部 ~斐伊川に集う出雲の神々の舞~
       18時50分~「荒神」       大土地神楽保存会
       19時35分~「鍾馗」       石見神楽亀山社中
       20時20分~「茅ノ輪」      深野神楽保存会

      終了は21時くらいとなります。


【留意事項】

・会場周辺には食事場所が多分ありません。昨年はお腹の膨らむ屋台の出店も少なかった
 記憶がありますので、夜食等は事前にコンビニ等で準備していった方がよさそうです。

・今年は残暑もまだ厳しいですが、9月中旬ともなれば山間部はさすがに夜露がおります。
 火も側にあって寒くはありませんが、夜露よけの薄手のアノラックくらいは用意しましょう。

・昨年は、カメラ同好のクラブ風の方々が大勢、会場の最前列を早くから確保
 され、地元の方々は迷惑そうに後ろのほうで鑑賞されていました。明かりを落として篝火に
 照らされた厳かな神楽舞いを期待したいのですが、常時フラッシュ、ストロボの
 攻撃で雰囲気ぶち壊しです。演目の盛り上がり部分で、デジカメ写真の出来上がり
 具合をヒソヒソと仲間うちに自慢するのは止めましょう。

 このあたり、主催者側や地元の方々へ、私を含めてカメラマンは配慮が必要です。


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●昨年の第3回「篝火舞い」より

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             ●↑会場準備風景

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            ●↑石見神楽亀山社中さん「四剣」

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            ●↑深野神楽保存会さん「岩戸」

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●第4回斐伊川夕刻「篝火舞」のポスターです。昨年撮影した私の画像を採用いただきました。ありがとうございました。


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神楽ファンの皆様、9月18日国道54号線里熊大橋下斐伊川河川敷でお会いしましょう!

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●開催場所

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この記事へのコメント

かこちん
2010年09月05日 22:32
斐伊川夕刻篝火舞の宣伝をありがとうございます。
あと2週間となってしまいました。
昨年は、来年は開催できるかどうか・・・って感じでしたが、なんとかここまできた感じです。
当日、晴れてくれることを願っています。

カメラマンの方の対処を考えあぐねています。
撮影場所を制限する方法を考えていますが・・・はたして。
私としては、昨年、ステージ前の楽屋にズケズケとカメラマンが入ってきて
「こっち向いてください」って・・・あれにはさすがに参りました。
ストロボの件も含め、頭が痛いです。
かこ様、SiSiです
2010年09月06日 08:34
光陰矢のごとしといいましょうか、一年はあっという間でした。あと二週間ですね。台風が来なければいいのですが、雨が一番心配です。
撮影場所の制限ですか?そうですね、そうなると自由な絵が撮れないので少々‥
残念ながら伝統の神楽を楽しむ為には仕方ないことかもしれません。(望遠レンズ持っていこうかな)
まだまだ厳しい猛暑が続きますが、ご自愛いただければと思います。
かこちん
2010年09月10日 21:54
撮影場所の制限と言っても、私が考えてるのは舞台に向かって右袖の
篝火の辺りから篝火を入れて撮影できるように場所を確保できないかなと。
近くで撮影する人、三脚を使う人は撮影場所で撮ってもらうように呼びかけ
ようと思いますが、はたして・・・。
中にはマナー悪い人がいますからね・・・。
客席から撮る方は、迷惑にならないよう配慮して撮影してもらうように、
でなければ、撮影禁止にしなければならなくなりますと呼びかけようかと。
あと一週間となりました。
まだ、週間予報は金曜日までしか出ません。
もってくれることを願ってます。
かこ様、SiSiです
2010年09月12日 05:06
漸く朝方は秋らしく感じるようになりましたが、昼間はまだ真夏に近いですね。
後残り一週間、開催に向けた準備の最後の追い込み時期ですね。暑さに気をつけられてご自愛いただければと思います。

撮影する方は、十分主催側のアナウンスに留意して、みんなが楽しい場にしたいものです。
乱鳥
2010年09月24日 02:57
SiSi様、こんばんは
篝火舞・・・伝説の川を背景に薪の火の粉を感じながらの神楽は素敵でしょうね。
ムードがあって、何度拝見させていたたいても、心うたれます☆

ポスターはSiSi様の作品なのですね^^
神楽知らずのわたしですが、益々虜にさせて下さいますSiSi様のお神楽のお写真☆とても好きです☆
RANCHO様、SiSiです
2010年09月25日 21:09
コメント頂戴し有難うございます。
「出雲神楽」如何でしたでしょうか。須佐之男命の大蛇退治の伝説の地で、しかも秋の夜長に、篝火のもと、神楽がみれる幸せを、帰ってからでも何度も噛締めて余韻を楽しんでおります。
哲史
2016年01月13日 19:32
日立安来の海岸工場のはずれに、ヨーロッパ風の海綿鉄プラントがとても印象的だった。あれは、安来の心象風景だった。
米子夜見が浜半島
2016年02月13日 08:04
満天の星空に浮かぶ海綿鉄プラントですね。玉子型のドームの屋根。彦名からも見えました。
製鋼所もん
2016年02月14日 17:38
あの先輩は熱いアーク炉の炉長として、何千チャージも溶解されている。ノロも何万本掻かれている。体調ご自愛下さい。
境港の後輩
2016年03月13日 21:57
定年までよく勤め上げられましたね。心よりご苦労様でした。
大阪茨木
2016年04月26日 19:11
海綿鉄製造から白銑塊溶解までされた方は、20世紀から21世紀でもあの方だけだ。たいへんな業績です。すばらしい。
広島
2016年04月26日 19:14
海綿鉄のルーツ、たたら製鉄が日本産業遺産に指定されたそうですね。日立安来の力ですね。おめでとうございます。
大阪在住
2016年07月27日 00:48
島根の日立金属安来工場といえば、思いつくのは海綿鉄が在った所。たたらの現代版。ミステリアスなオーラを放っていました。鳥肌が立つほど、偉大ですね。全身が引き締まります。
たたらの源流をくむ
2016年08月09日 08:48
昔、島根の安来へ行ったとき、海綿鉄からこしらえた、ギラリと重く光る日本刀を見たことがある。
安来鋼(ヤスキハガネ)ファン
2016年08月09日 09:25
今や、ハイス、SLD-MAGIC.航空機材、自動車部品、アモルファスに特化している工場ですね。
これからの日本
2016年12月05日 23:14
この、すばらしき伝統を伝承させるのが、大きな課題ですね。
サムライ日本
2017年03月18日 00:55
島根の本当の気質はヤマタノオロチを退治した、スサノウの気質かもしれない。
京都
2017年06月03日 19:16
ヤスキハガネか、今や世界的に見てもでもスウェーデン鋼か日本の安来鋼かといわれるくらい、品質が優秀と聞く。
神戸
2017年06月03日 19:56
日立金属安来工場、冶金研究所、安来和彊会。凄さと素晴らしさを感じる。まだ、アモルファス工場、安来工場圏。期待されますね。
東出雲
2017年06月14日 06:23
アモルファス工場って、本館前の建屋でしょ。MYGと呼んでいる工場。昔はFプロと言ってましたよね。
ハガネ
2017年06月15日 20:35
日立金属安来工場さん。大きな新鋭が着々と進んでますね。期待がかかりますね。
開聞岳
2017年06月27日 21:08
この。株価低落の時期に手堅い業績。先人達が築いた、絶対値レベルの世の中の信頼度。日立安来和彊会も貴重だ。
鹿児島
2017年07月06日 15:55
しかしながら、あの日立金属安来工場で、定年まで勤め上げるのは、指南の業だ。皆言ってる。
人工知能
2017年07月06日 16:01
伝統とハイテクノロジーの工場。日立金属安来工場。冶金研究所か。
鋳造工学関係(GIC結晶)
2017年08月18日 22:07
 現在の機械工学における構造材料の耐久性に対する主な問題点は強度ではなく、摩擦にある。島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における摩擦の中心的モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。
金屋子神
2018年01月30日 22:46
良い技術も大切だが、さらに大切なのは、気持。やらねばならないという気持ちが大切。
姫路観光
2018年03月30日 23:22
島根県の安来といえば、日立金属安来工場さんがあるところですね。和鋼博物館に行ってみたいです。今度行きます。
千葉大工学部
2018年12月05日 23:32
島根の日立金属安来工場といえば、海綿鉄に行きつく。いまや1万トンプレス。4面光速鍛造機、日本一の真空溶解機が新聞で紹介されてました。
浦和
2019年04月21日 21:56
日立金属安来工場か。畏敬を感じるよ。数々のノウハウと伝説。
弟子播磨
2019年07月26日 21:17
 とにかく最も巨大な日立グループ系の工場であるのは確かだと、プラントメンテナンス分野でラマン分光を広げようとしている久保田博士はそう言ってました。

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