『平成23年・桃花祭御神能』 能鑑賞 安芸の宮島厳島神社4月16日 第一部 『翁』

4月16日安芸の宮島、厳島神社で開催された桃花祭御神能を撮影してきました。

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桃花祭は、初日の夕刻陵王などの「舞楽」から始まって、二日目に能、三日目能、四日目能と4日間連続します。初日の舞楽は夜ライトに照らされた中、国宝の高舞台で開催されます。
これまで何度か当Blogでご紹介した舞楽は、昼間青空の元での舞いでしたので、夜間の舞いは昼間より幻想的で趣が異なるようですが、夜間は三脚不可、フラッシュ不可と厳しい撮影になるのでこれまで私自身は拝見したことがありません。

余談ですが、元始祭の舞楽「陵王」の当方の画像を見られた出版社や広告代理店の方々から、画像をパンフレットの表紙や季刊誌の表紙にしたいと連絡が入ってきました。原画提供後画像利用の許可を得ていただき、表紙になり全国の方の眼にふれたようです。もうひとつは来年開催のイベントポスターになるということなので楽しみにしています。舞楽の画像以外にもこれまで阿波踊りの画像がある季刊誌に掲載されたり、伝統芸能の衣装の画像が、某大学の講義に用いられたり、少しは世の中に役立っているのだなあ、と独りでニンマリしている今日この頃でした。‥以上全くの余談でした。

神能の奉納があった場所は、江戸時代に作られた重要文化財の『能舞台』です。
我が国で、海に浮かぶ能舞台はここだけです。高舞台の’舞楽’は、厳島神社を創った平清盛が大阪天王寺から呼んできたのが最初ですが、ここでの’能’の始まりは毛利元就が神聖な宮島を血で汚し神聖を傷つけた侘びに1560年頃、京都から太夫を呼んで能を奉納した時からのようです。その後徳川時代になって、広島藩主(芸州藩)福島正則や、浅野長晟らが海上の能舞台を寄進し、舞台と伝統が現在に伝わっています。なんと、毎年3日間でのべで3百人~4百人の能楽師がここ厳島神社海上能舞台に集結し、奉納されるそうです。

舞台の足元は一枚板で、板の下はすぐ水面となっており、シテ等の演者がドンと足を突くと、ド~ンと共鳴するようになっています。舞台が海上に突き出ている関係で、観客席は桃花祭にあわせてやはり海の上に特設されます(画像参照)。汐が満ちてくると板一枚下は海水なので、4月といえども下からの汐風で長丁場の観能は相当忍耐が必要です。ただ特設会場は奥行きが狭く、横幅が長く舞台を取り囲んでいるので、京都平安神宮の薪能の会場のように、後ろのほうからは遠くて面も見えない、といったことはありません。

私が観能した日は初日の16日です。朝9時から開始ですので、5時起きで車を走らせましたが、なにせ遠いのと対岸の本土側からはフェリー渡船という不便さで、到着は開始前30分といった時刻になっていました。舞台前の特設観客席は狭く、すでに最前列は数十台のカメラの放列状態でした。聞けば、前日から島に泊ってきている方も多いとか。仕方なく、画像にあるように、あまり能の写真でみることが無い、舞台の左側面が少し空いていたので陣取りました。そこには偶然ですが、毎年正月に舞楽の撮影の際、お会いする神社専属のプロカメラマンの方が三脚を立てられており、一年ぶりですね、とご挨拶です。最初は「揚げ幕」のすぐ側でしたが、舞台から遠く、徐々に観客の間を割って側面の狂言座、後見座の近くに寄って座を確保しました。この座の欠点は、バックに神社の朱色の渡り廊下が映る為、神社参拝客が立ち止まるとその姿が写ってしまうことです。そこは通りすぎるのを待って我慢の撮影を行いました。

         ユネスコ世界無形遺産
         能楽の世界
    

          神    男    女    狂    鬼



 ●16日のプログラムをご紹介します。初日と三日目は、「喜多流」の流儀でした。

翁  養老  箙  羽衣  藤戸  猩々  それぞれの能の間は狂言を挟みます。

では最初の演目’翁’をご紹介します。

     ●『翁』

翁は「能にして能にあらず」ともいわれる儀式舞で、天下泰平・五穀豊穣・国土安穏を祈る能ではありますが、能の形式を持っていない神事といわれています。
出演は主役(シテ)の翁、と脇役(ツレ)千歳と、狂言の三番三、面箱持 です。
最初、翁の役者が祝言を謡うところからはじまり、ツレの若い千歳が颯爽と舞台の露払いを行います。その間に翁は翁の面(白式尉という)をつけ、祝いの舞いを舞います。終わると面をはずし独り退場していきます。つぎに三番三が面をつけずに舞台所狭しと躍動感溢れる舞いを披露し、その後黒い面(黒式尉という)をつけ新しい舞いを舞います。

  役者は人として舞台に登場し、面をつけることで‘神’となる…能鑑賞百一番という本に書かれていました。

●まず最初は、早朝のフェリーで宮島へ渡るところからの画像からのご紹介です。例によって、今回も千枚を越えていましたので、中から十数枚ずつ、演目毎に何度かに分けての掲載となります。
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●宮島、厳島神社 国宝・海上能舞台へ

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                  4月16日午前7時45分

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                  海上能舞台と特設桟敷

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■『翁』

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                 ↑千歳の颯爽とした露払いの舞い

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                 ↑シテ 翁 祝いの舞い

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                 ↑ 翁の面 白式尉

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三番三による揉ノ段

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               躍動感が溢れていますね

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三番三の鈴ノ段 面は黒式尉

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続きは、また次回。

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この記事へのコメント

Rancho
2011年05月01日 12:38
役者は人として舞台に登場し、面をつけることで‘神’となる…良い言葉ですね!
神事として厳かに行われている桃花祭御神能は素晴らしいですね☆
「翁」「黒式尉」の面の素晴らしさにうっとりです(^^)

sisiさんの焦点を絞られた気品のある、おまけに動きが素晴らしい翁と三番叟!
本当に芸術的ですね(*^.^*)欲しい作品がいっぱいで、ちょこちょこ拝見させていただいています(^ー^)本当にステキです。出版社や広告代理店の方々のご依頼を受けられるのも納得です!ご自身からも売り込まれて、プロとしてご活躍下さい^^お願いします♬

「翁附き」の 『養老』その弐の間狂言(?)の衣装や表情はコミカルで楽しいですね。
後の『養老』が重厚で引き立ちますね。
桃花祭御神能を楽しまれるsisiさんがとてもうらやましいです♬
Ranchoさま
2011年05月02日 08:27
Ranchoさま、いつもありがとうございます。
通路両側に燃えるような「八条ケ池の霧島つつじ」とても綺麗ですね。当方の玄関においているツツジも寒かった冬を無事越して漸く花を咲かせ(八分咲き)ました。つつじが終わると今度は待望の皐月の季節を迎えます。
御神能の画像、枚数が多くなかなか全てお見せすることができません。画像をためこむハードディスクの容量オーバーで大きなものを購入したのですが、おいつかない状況です。今年は、少ない枚数でじっくり撮るかナアと考えているところです。

本日、三日ぶりに会社のでると、160通もメールが来ていました。これから整理です。今晩中に片付けて、明日からの後半戦に備えなくては。

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