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zoom RSS 「農村舞台」徳島の阿波人形浄瑠璃公演 11月3日犬飼農村舞台 その1舞台紹介

<<   作成日時 : 2018/11/21 17:42   >>

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平成30年11月3日、広島から徳島に車を走らせました。
徳島へは阿波踊りのお盆時期以外、初めての紀行です。
今回の旅の目的は、徳島の「農村舞台」で行われる阿波人形浄瑠璃の公演の撮影です。
自宅を早朝4時半に出発し、山陽自動車道〜倉敷JCT〜瀬戸中央自動車道〜高松自動車道〜徳島自動車道
〜一般道で徳島市八多町八屋の五王神社境内に、8時過ぎに到着しました。
公演開始は、午前10時半からですので、当然会場には一番のりでした。
翌日は、五王神社の犬飼農村舞台からやや離れた、那賀郡の鎌瀬農村舞台での公演の連荘となります。

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                  五王神社への参道(急坂)↑

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                  五王神社から舞台を望む↑

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ここで、「農村舞台」と「阿波人形浄瑠璃」について、簡単に触れておきます。

農村舞台
農村舞台は、野舞台とも言われ、全国には十数年前の調査において約1300棟の舞台が確認されています。そのうち、85%が歌舞伎の舞台で、残り15%の210棟程度が人形浄瑠璃芝居用に建てられていたようです。
今回訪問の徳島には我国では一番多い200棟強が建てられており、ほぼすべてが人形浄瑠璃芝居用でした。
舞台は、江戸の末期から明治時代に建てられたもので、大半が朽ちてしまい、また戦中戦後の停滞で、徳島でも現在百棟程度しか残されていません。
近年になって、舞台の後援会や保存会が立ち上がり、県や市のバックアップにより、現在は残った百棟のうち、約15棟で、年に1〜2回人形浄瑠璃が公演されています。
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人形浄瑠璃
一方、徳島の人形浄瑠璃は、1600年頃淡路島で活発に公演されていましたが、淡路島が徳島藩の所領になって、徳島の藩主(蜂須賀公)から庇護をうけ、彼方此方に人形座が形成され、その後全国で盛んに巡業が行われました。蜂須賀家はあの阿波踊りも民に許し広めたといいますから、今に伝わる徳島の伝統文化を形成した偉大な大名といえる(私の見解)のではないでしょうか。
さて徳島の各村々の鎮守の森では、幕末の頃より、春と秋に豊作の祭りが行われ、神楽や田舎歌舞伎や盆踊り等を神社に奉納していました。奉納の内容が淡路から伝わった(淡路から人形座をよび)人形芝居に移ろっていきます。その後彼らは村々に独自に木偶を購入し、その練習を行う舞台として、鎮守の森の神社の傍に農村舞台を建設していきました。


人形浄瑠璃文楽と阿波人形浄瑠璃の違い
文楽といえば大阪の国立文楽劇場を思いうかべるかたが多いと思います。文楽とは、大阪で生まれた人形で浄瑠璃を演じる伝統芸能です。阿波徳島の人形浄瑠璃は、文楽とはいいません。文楽との違いは、国立劇場など照明の明るい高座で演じられる文楽人形は、阿波と比べて頭が小ぶりです。阿波の人形は、農村舞台など照明のない舞台で演じられることが多いため、目立つよう頭が大きく、真っ白な胡粉が塗り重ねられ、艶のある肌をしています。

さて、用語解説はそのくらいにして、11月3日に訪ねた五王神社境内で行われた、犬飼農村舞台のご紹介に入ります。
犬飼農村舞台は縦が約9メートル、横が約11メートルの小屋で、当初は江戸時代に建てられ、現在の建物は明治6年の建築とされています。向かって右側に太夫と三味線の座る’太夫座’が付属します。
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                                                  太夫座↑


■当日のプログラムは、
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主な演目は、徳島県勝浦町の人形座「勝浦座」による「式三番叟」「傾城阿波の鳴門」「伽羅先代萩」の奉納です。
浄瑠璃の終わった最後に、犬飼農村舞台保存会の皆さま十数人による、舞台に設えられた130枚の42景の景色や富士山、虎といった動物、花文様などの襖絵を次々と手動で展開する、「襖からくり−段返し千畳敷」が披露されます。この襖からくりは、農村舞台でもここ犬飼が代表で、ほか数軒しか残されていません。
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因みに、襖からくりは、舞台奥に設けられた千畳敷などと呼ぶ高座に組み込んだ襖を十数人で左右上下に操作して、舞台背景を一瞬にして転換する手法です。浄瑠璃の最後の演目のひとつとして保存会の皆さまによってお披露目されています。襖は現在複写されたものが使用されており、原画は明治期に京都の絵師が泥絵の具を用いて描いたものと、保存会の方に聞きました。複写には1千万かかったとも言われていました。

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「船底楽屋」 襖からくりの地面を30cmから40cm掘り下げたものです。船底の形になっています。↑
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            実際の使い方は ↓
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           「船底楽屋」と襖からくりは、ここ犬飼農村舞台の大きな特徴です。

■五王神社への奉納(式三番叟)
農村舞台で演じる前に、五王神社で三番叟の奉納です。
三番叟は、能の’翁’を発祥とするもので、五穀豊穣などのめでたい場で演じられる儀式です。義太夫の語りはありません。
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                                       五王神社↑
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人形座「勝浦座」
徳島の勝浦町に座を構える、江戸時代に発足した人形座で、徳島で最も伝統ある人形座のひとつです。28演目も保有されているとのこと。
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      神社の世話役の方に許可をいただき、神社内に入れていただくことができました。
      流石に、神前でフラッシュは遠慮しました。

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                           電球と蛍光灯の自然光のため、色合いが悪くなっています。
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         千歳鈴と鼓と拍子木の拍子の音色…山間の静かな鎮守の森に響きわたりて‥

奉納の式三番叟が終わり、舞台前のゴザに観客が集まってきました。当日観客は、マスコミ発表数で五百人です。

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いよいよ、最初の演目である、農村舞台での式三番叟です。
容量の関係で、次の「その2」での紹介になります。

尚、今回の農村舞台での人形浄瑠璃に関する撮影と、当個人Blogへの掲載については、
徳島市教育委員会社会教育課様から事前に承認いただきました。有難うございます。









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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
 sisi様にご紹介頂かなければ知らずにいたであろう素晴らしい徳島の「農村舞台」の阿波人形浄瑠璃の記事をありがとうございます。
「農村舞台」を支えておられる皆様の暑い思いが伝わって参ります。

 舞台の幕内の様子や襖の様子など、興味深いご紹介に感謝します。
 襖が次々に変えていかれるとか、船底楽屋など、舞台が好きな私はお写真を拝見させていただき、ワクワクしています。

『式三番叟』の人形のお顔が凛々しいですね。
 翁の面を被った人形の三番叟を初めて見ました。
 また、お衣装が松と鶴で、本格的な三番叟なのですね。
 
 興味深いのが、三番叟の人形を扱っておられる方々三人を写しておられる珍しいお写真。
 こちらも、食い入って見ています。

 村によっては三番叟は小さな子供から順に三人祝うて踊るという地域もあるそうですね。
 五穀豊穣。『三番叟』は大変好きな演目です。めでたいお写真に見入っています。

 五王神社への奉納ということは、その間はお酒などは口にできなかったのでしょうか^^
 日本の神事って気持ちが落ち着いて、本当にいいですね。

 どのお写真にもご説明にも見入っています。
 素晴らしい伝統芸能のご紹介をありがとうございます。
 そして、このような素晴らしい阿波人形浄瑠璃を守り抜いて下さっておられます徳島の皆様にも感謝申し上げます。
 ありがとうございます。

 興奮のあまり、長文、失礼いたしました。

 寒くなって参りました。sisi様、お身体ご自愛の上、楽しいお時間をお過ごし下さい。
 


 
Rancho
2018/11/22 01:52

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